口臭を起こしやすい病気

歯周病

口臭は口の中にトラブルが起こっていると不快なものとして感じやすくなります。
呼気が悪臭になりやすい主な病気としては、歯周病(ししゅうびょう)を挙げることができます。

 

まず歯周病とはどのような病気かですが、歯と歯茎のあいだで増加する細菌に感染し、歯周という言葉が付いているとおり、歯の周りに炎症が生じるのが特徴です。
歯茎だけに炎症が生じている場合には歯肉炎(しにくえん)と呼び、歯茎以外にまで広がると歯周炎(ししゅうえん)や歯槽膿漏(しそうのうろう)という病名で呼ばれます。

 

次になぜ歯周病が息の不快なニオイを起こすのかについてですが、口の中に生息している細菌が繁殖するためのエサが増加します。
口内には多くの種類の細菌がいますが、中にはニオイ物質を生み出す細菌も存在していて、数が増加するとより多くのニオイ物質が産生されてしまうのです。
歯周病は重症化するほど細菌の数も多くなるのが特徴で、歯肉炎の人より歯槽膿漏の人のほうが基本的に口臭の不快度は高いということになります。

 

歯周病による口臭を防ぐには、歯周病を起こす原因をつくり出さないことが大切です。
プラークが歯周病を起こす原因になりますので、蓄積しないようにしっかりと除去し、口腔内を清潔に維持し続けるようにしましょう。

 

また、歯周病はひどくなるまで自覚症状に乏しいのが難点です。
気付かないうちに重症化することも少なくありませんので、定期的に歯科へ行くことをおすすめします。
歯周病の早期発見治療だけでなく、予防のためのブラッシング指導を受けたり、歯のクリーニングが行われたりもします。

 

なお、中には歯周病を起こしても放っておけば良くなると思っている人もいるでしょうが、これは誤りです。
放置していると重症化するリスクはありますが、回復していくことはありません。
自然治癒しないのが歯周病の厄介なところですし、最悪の場合は口臭がひどくなるだけでなく何本もの歯を抜くしかなくなることもありますので、予防や早期発見・治療に努めることが大切です。

糖尿病

糖尿病とは、正常に糖の代謝が行われず血糖値が上昇する病気のことをいいます。
この糖尿病が不快な口臭と関わりが深いことは、意外と知られていません。
悪臭がするという場合、原因が糖尿病である可能性があります。

 

糖尿病の人の口臭はアセトン臭と呼ばれる独特なものです。
腐る寸前のリンゴのような、甘酸っぱい不快臭がします。

 

このアセトン臭がするようになるメカニズムですが、糖尿病になると糖を分解する役割を担っているインスリンが足りなくなります。
これにより糖を分解してエネルギーを産生することが困難になり、脂肪やタンパク質を分解してエネルギーを確保するようになります。
この脂肪やタンパク質が分解されるタイミングでケトン体と呼ばれる物質がつくり出されるのですが、アセトンはこのケトン体の中に存在している物質なのです。

 

このほか、糖尿病の人はドライマウス(口腔乾燥症)を引き起こします。
これは唾液の分泌量が減少し、口の中が乾燥してしまうのが特徴です。
口の中が乾いていると悪臭物質を生み出す細菌が増殖してしまうため、息がくさくなってしまいます。
また、分泌される唾液の中には糖分が多く含まれており、これも細菌増殖を助長する一因となります。

 

さらに糖尿病が原因で血糖値が上昇すると、血液がスムーズに流れなくなります。
そしてこの血流悪化の影響によって細菌への抵抗力が弱くなり、歯周病を引き起こしやすくなってしまいます。
歯周病は悪臭物質を生み出す細菌が繁殖する、口の中で起こる炎症性の病気です。
重症化すると細菌もより増殖しやすくなって口臭がひどくなるほか、歯を抜くことを選択しなければいけなくなるケースもあります。

 

糖尿病による口臭を防ぐには、この病気自体の予防に取り組むことが肝心です。
生活習慣病の一種ですので、生活習慣の乱れを正すことで発症を未然に防ぐことに繋がります。
栄養バランスの取れた食事を摂る、暴飲暴食をしない、適度な運動を習慣化する、ストレスを溜めない、質の良い睡眠を十分にとる、タバコをやめる、適正飲酒にするなどが具体的な対策として挙げられます。

 

また、定期的に検査を受けることが大切です。
糖尿病は自覚症状に乏しく、目立った症状は相当に重症化しなければあらわれないからです。

膠原病(こうげんびょう)

膠原病(こうげんびょう)とは、本来は病気を防いだり治りを早めたりする免疫が、自分を攻撃することで炎症を起こす病気の総称です。
自己免疫疾患(じこめんえきしっかん)と呼称されることもあり、炎症は全身のどこにでも起こる可能性があるのですが、どこで免疫が自分を攻撃するのかによって病気の名称が変わります。
たとえば膠原病の種類の中でも有名な関節リウマチの場合、関節が攻撃されることで炎症が生じ、関節炎などの症状が引き起こされることになります。

 

膠原病には数多くの種類が存在しますが、共通しているのは女性の患者割合が圧倒的に高いこと、ドライマウスの症状が起こることです。
また、原因が解明されておらず、予防や根本的な治療が困難なことも、膠原病全体にいえることです。

 

この膠原病は不快な口臭が出る原因のひとつになりますが、理由は前述したドライマウスにあります。
ドライマウスは口腔乾燥症(こうくうかんそうしょう)ともいって、唾液の分泌量が減少することで口の中が乾いてしまうのが特徴です。
乾燥した口内環境は悪臭物質を生み出す細菌が繁殖するのに適しており、細菌が増加し悪臭物質がたくさんつくり出されることで息がくさくなってしまいます。
なお、膠原病の中には唾液を分泌する役割を担っている唾液腺が攻撃され、分泌量が減少するものもあり、名称はシェーグレン症候群といいます。

 

膠原病はこれといった予防法がなく根本的な治療法も確立していないと述べましたが、薬を使っての対症療法を受けることは可能です。
膠原病はドライマウスだけでなく関節の痛み、湿疹、お腹の痛み、下痢、倦怠感、せき、発熱といった風邪に似た症状を起こしますので、長引いている場合は医療機関を受診しましょう。

 

また、口臭の原因となるドライマウスは、何も膠原病だけが原因で引き起こされるわけではありません。
別の深刻な病気が潜んでいる可能性もありますし、膠原病自体も命を落とす危険性を孕んでいる病気です。
したがって、膠原病であろうとなかろうと症状を放置することなく、病院で詳しい検査を受けることが大切です。

副鼻腔炎(蓄膿症)

副鼻腔炎(ふくびくうえん)とは、鼻の周囲にある空洞に炎症が生じ、膿が溜まる症状です。
悪臭を伴うドロドロの鼻水が出ることもあれば、鼻ではなくノドへと膿が流れていくこともあります。
また、鼻の周囲にある空洞のところに痛みを感じたり、発熱したりすることがあるのも副鼻腔炎の特徴です。
急性の症状としてあらわれますが、長期化して3ヶ月以上が経過すると慢性化し、これを蓄膿症(ちくのうしょう)といいます。

 

前置きが長くなりましたが、副鼻腔炎や蓄膿症は不快な口臭の原因になる症状でもあります。

 

鼻に起こる症状なので口のニオイとは関係ないのではないかと思った人もいるでしょうが、そうではありません。
副鼻腔炎や蓄膿症は鼻詰まりの症状が起こることがありますが、鼻での呼吸が難しくなるとやむを得ず口呼吸をしなければいけなくなります。
口呼吸は口腔乾燥症(こうくうかんしょう)、いわゆるドライマウスの原因になり、口のニオイがくさくなってしまうのです。
ドライマウスは口の中が乾いて悪臭物質を生み出す細菌の繁殖を助長します。
また、細菌が増殖すると、虫歯や歯周病のような口臭の原因になる別の問題まで引き起こしかねません。

 

副鼻腔炎を未然に防ぐには、原因となる問題を起こさないようにすることが大切です。
主な原因としては風邪を挙げることができますので、日ごろから健康管理に注意して発症しないようにしましょう。
また、仮に風邪をひいてしまったとしても、悪化したり長期化したりしないよう、市販薬を使用したり、病院を受診したりして早期治療に努めることが大切です。

 

もし副鼻腔炎を引き起こしてしまった場合には、症状を放置しておくのはよくありません。
自然に楽になることもありますが、慢性化することが多いですし、一度よくなったとしても症状が再燃することも少なくないのです。
市販薬を使用する方法も悪くはありませんが、よくなるまで長くかかる傾向がありますし、再発する可能性も低くありません。
時間がない人は市販薬で誤魔化すのも仕方がないのかもしれませんが、病院に行って蓄積された膿を洗い流したり、抗菌薬を使ったりするほうが早く完治する可能性が高いです。

胃潰瘍

胃潰瘍になると口臭がきつくなるという話がありますが、これは原因として考えられません。
ですが、胃の状態が口臭に影響することはあるといわれています。

胃潰瘍が口臭の原因ではない理由

胃潰瘍が原因で不快な口臭を発しないのは、胃の中のガスが口から排出されることがないからです。
胃には噴門部と呼ばれるところがあるのですが、胃と食道の境目に存在しています。
この噴門部は胃の出口にフタをしていますが、これにより、仮に胃の中で悪臭のするガスが作り出されたとしても、このガスが逆流することは阻止されているのです。

胃の状態と口臭の関係

胃の中のガスが逆流し、呼気として排出されることはまずありませんが、血液中に溶出することがあるといわれています。
血液中に入り込んだガスは体をめぐり、最終的に肺から吐く息として出ることになります。
胃潰瘍などで胃の調子が悪い場合、このような経路で不快な口臭が排出されることがあるのです。

胃の状態と口内環境の関係

胃の調子が悪い場合、口内環境に影響を及ぼすと考えられています。
たとえば、口の中の唾液分泌量が少なくなることが挙げられます。
唾液が不足すると口の中が渇きますが、このような状態は口臭の一因とされています。

 

唾液量が少ないと嫌気性菌が繁殖し、悪臭のもととなるガスを作り出すからです。
直接胃が口臭の原因になるわけではなくても、胃の調子が口臭の原因を作ることになる可能性はあるということなのです。

効果的な口臭対策

口の中を清潔にしたり、噛みごたえのあるものを食べて唾液の分泌量を確保したりと、口臭対策はいろいろとあります。
しかしながら、本当に胃が原因で不快な口臭を発しているということですと、これを改善しないうちは臭いがなくならないでしょう。

 

そのため、病院に足を運び適切な治療を受け、胃を健康な状態に戻してあげることが大切です。
口臭の原因である胃の調子が良くなると、不快な臭いが口から発せられることはなくなるでしょう。

肝機能障害

肝機能障害により不快な口臭を引き起こすことがあります。
肝機能が低下する理由、臭う理由、効果的な口臭対策を解説していきます。

肝機能が低下するのはどうして?

肝機能が低下するのは、肝臓に負担をかける生活を続けていることが原因です。
暴飲暴食をしていたり、たくさんお酒を飲んでいたりする人は、肝臓に多大なる負担をかけています。

 

また、ウイルス性の肝炎になることによっても、肝臓の機能は著しく低下するといわれています。
厄介なことに肝臓は機能が低下していても深刻な状態になるまで自覚症状がありません。
心配な人は一度、病院で検査を受けてみることをおすすめします。

肝機能障害が嫌な口臭を出す仕組み

肝臓の機能が低下すると、食べ物の臭い物質を分解する能力が弱まります。
健康な人の場合、臭い物質はしっかりと分解されてなくなりますので、悪臭が体の外へと出ていくことはありません。
しかし、分解能力が弱まった状態だと、残留した臭い物質が体内をめぐり、肺へと移ります。

 

肺に移った臭い物質が呼気として放出されることにより、不快な口臭になっているのです。
臭いの不快度は高く、カビ臭、ドブ臭、ニンニクや卵の腐敗臭にたとえられることが多くあります。

有効な口臭対策はある?

肝機能障害が原因の口臭対策としては、肝臓をいたわってあげることが肝心といえます。
食事をはじめ、生活習慣を改善することにより、肝機能の低下を遅くしたり、改善したりすることが可能でしょう。

 

肝臓に負担をかける食生活をやめたら、逆に肝臓に良い栄養を補給することも大切です。
ビタミンB1、ビタミンB12、ビタミンC、オルニチン、タウリン、クルクミン、メチオニン、フラボノイド、食物繊維は特に積極的に摂りたいところです。

 

ただし、この口臭対策は肝臓の状態が気になる程度の人にすすめているのであり、既に病院で肝臓病の治療を受けている人に推奨しているわけではありません。
肝臓病を患っている人に関しては、医師の指示に従い適切な治療を受けてください。

間違ったダイエット

正しい方法でダイエットをしていないと、減量が上手くいかないだけでなく、リバウンドしやすいといわれています。
それだけならまだしも、口臭の原因になっているという指摘もあるのです。

 

体型以前にアナタの口臭が他人に不快な思いをさせているかもしれません。
どうして誤りのあるダイエットが口臭を引き起こすのか、どう口臭対策をすれば良いのか説明します。

ケトン体と口臭

ダイエットを行い食事量をコントロールする場合、栄養バランスが取れていないと炭水化物やタンパク質の不足を招きます。
これらの栄養が足りないと、エネルギーとして中性脂肪を燃やすことになりますが、このとき脂肪酸に変わります。

 

脂肪酸は体外に排出されると体臭の原因になりますが、同時にケトン体と呼ばれる物質を生み出します。
ケトン体は甘酸っぱく鼻にツンとくる刺激臭なのですが、血液を通じて体をめぐります。
そしてケトン体が肺へと行き着くと、最後には呼気として不快臭が体外へと排出されることになるのです。

唾液の分泌量と口臭

ダイエットで食事制限をしている人の中には、極端に水分を摂らないようにする人がいます。
こういうやり方をしていると、唾液の分泌量が減少してしまいます。

 

口の中が渇くと嫌気性菌が繁殖し、悪臭のもとになるガスを生み出すのです。
ケトン体の臭気と一緒にこの嫌気性菌により作られた悪臭が口から放出されるとなると、当然のように不快感は増すでしょう。

ダイエット中の口臭対策

ダイエット中の口臭対策として効果的なのは、基本にならったダイエット方法を実践することです。
過度に食事量や水分量を制限するのではなく、摂取カロリーに注意しながら栄養バランスの取れた食事を摂りましょう。

 

また、食事制限だけでなく適度な運動を行ったり、十分に睡眠をとったりすることで、健康的に減量することが大切です。
それでもダイエット中はお腹が空くものですが、カロリーが心配な人はガムを噛むことで唾液の分泌を促してあげると、口臭対策に効果的といえるでしょう。

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